今回は魔王天という不思議な神社を紹介いたします。
なぜ、魔王を祭っているのでしょうか?
魔王とはいったい誰なのことなのでしょうか?
神社を長く、探索してきた私ですが、「魔王」祭る神社なんて初めてです。
調べてみてたいへん複雑で理解しがたい部分があるので、2回分けてじっくりとこの話をしていきます。
まずはこの神社の所在地からです。
山梨県南都留郡鳴沢村にあります。
国道139号線を静岡方面から西湖を通り過ぎて河口湖に向かう途中にあります。
天神山交差点の信号機を左折です。ボーとしていると通り過ぎてしまうので注意してくださいね。
神社の入り口近くには大きな舞屋があり、4月18日の例祭日には保存会のメンバーによる太々神楽が、12座にわたり舞われるそうです。
結構、急な階段を上っていくと魔王天神社の看板が・・・・。
この主祭神についてです。
主祭神は「経津主神(ふつぬしのかみ)」と言います。
あまり聞き覚えのない神ですが、千葉県の香取神宮の主祭神としても知られ、
神話の世界では国譲りの際、大国主から譲り受けた「葦原中津国」の平定の際に活躍した神であるとされています。
しかし、この神社には主祭神を祭る本殿がありません。
裏手の魔王の山(足和田山)をご神体として拝礼するため本殿は無いそうです。
ご神体である魔王の山の山頂近くには、魔剣を奉納してある祠があり、この神社と関係があるのは明白ですね。
それにしても主祭神を祭る本殿ないのに主祭神が決められているなんて変だと思いませんか?
また地元の人の情報から魔王の山から植物などを取ると祟りがあるといわれています。
実に怖い神様ですね。
こうなると主祭神の「経津主神(ふつぬしのかみ)」を祭るというのは表向きで、実際には魔王天様をお祭りする神社だということがよくわかりますね。
社務所もなく御朱印もないので、実にシンプルでひとけがないのですが、きれいに整備されていて、雑草もなければ、落ち葉も散々していない。
きっと村人が毎日掃除をしているのでしょう。信心深い人達が多いと感じます。
事実、村では魔王大六天(オダイローサマ)と親しみ、台風などで農作物に風の被害が予想されるときには隣接する祠の風の神に無事を祈ったといわれています?
なぜ魔王天に頼まないで風神なのでしょうか?
裏手にはおびただしい宝剣が御幣(ごへい)のかわりに祀られている。中央には大きい三叉戟(さんさげき)が3本祀られているのが確認できる。
神社なので主祭神がいて当たり前ですが、実際のところ魔王天とは何を指すのでしょうか?
「魔王天」とは聞けば聞くほど、悪魔なのでは?と思ってしまいますよね。
調べてみました。
魔王天とインターネットで検索すると大六天または大六天魔王と出てきます。
この大六天とはいったい何のことなのでしょうか?
「仏教で修業を妨げる魔のこと。」と出てきます。
正確には「第六天魔王波旬(だいろくてんまおうはじゅん)」というそうです。
仏教でいう、欲界天の第六、つまり最高所に宮殿を備えた天魔であり、
身の丈は2里、寿命は人間の1600歳を1日とし、1万6千歳の長寿とされている。
男女に対して自由に交淫・受胎させることができる力があるとされ、他人の楽しみ事を自由自在に自分の楽しみにかえる法力を持っているので、他化自在天(たけじざいてん)と呼ぶのが本来の名である。
かの、信長公が自分のことを「大六天」と呼んだとか。
かなり魔王天神社の真相に迫ってきたと思います。
次回はもっと深く魔王天の真相に迫っていきたいと思います。
神崎慎一郎
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